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地方はいま/3 島根県・旧匹見町 過疎の地、再生へ一歩

昭和40年代まで使われ、今は放置されている小中学校の寄宿舎の前に立つ山崎一美さん。「市に金がないから、自分たちで頑張れということだ」=島根県益田市匹見町澄川で3月

 国道沿いの畑の四方に、害獣対策ネットが張り巡らされている。野生のサルが我が物顔で、空き家の庭や耕作放棄地を歩き回る。「過疎発祥の地」と呼ばれた島根県益田市の旧匹見(ひきみ)町地区。人口は今年3月末時点で1119人まで減少し、2040年代には500人台に落ち込むと予測されている。

 同地区は中国山地の広島県境にあり、面積300平方キロメートルのうち97%近くを山林が占める。過疎が進むきっかけは、町が1カ月以上孤立した1963(昭和38)年の「三八(さんぱち)豪雪」。翌年からは2年連続で集中豪雨に見舞われ、一家で集落を離れる「挙家離村(きょかりそん)」が相次いだ。

 60年の国勢調査で7186人いた人口は、5年で5256人に激減した。63年から4期16年にわたって町長を務め、2014年に101歳で死去した大谷武嘉さんは、国会やメディアに当時は浸透していなかった「過疎」という言葉を使い窮状を訴えた。行動は奏功し、元利償還の7割を地方交付税で賄う過疎債の発行を認める「過疎法」が70年に成立。大谷さんは「過疎町長」と呼ばれた。

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