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特別展

「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」 おかしみ、浪花で脈々と あす開幕 大阪市立美術館

 ユーモアとウイットにあふれた愉快な戯画を集めた特別展「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎(きょうさい)まで」が17日、大阪市天王寺区の大阪市立美術館で開幕する。戯画の原点の一つとされる大坂発祥の「鳥羽絵」をはじめ、葛飾北斎や歌川国芳、河鍋暁斎らによる江戸時代の浮世絵や版本など約280件を紹介。笑いの文化が花開いた浪花の地で、人気絵師によって脈々と受け継がれてきた豊かな笑いのエッセンスが楽しめる。【清水有香】

    ゆるキャラ、擬人化 十人十色

     小さな目に低い鼻、口は大きく手足は極端に細長い--。人々が繰り広げるさまざまな騒動を軽妙な筆致で描いた鳥羽絵は、18世紀の大坂で「軽筆鳥羽車」などの鳥羽絵本として出版され人気を博した。本展は鳥羽絵を戯画の一つの起点と捉えた第1章に始まり、そこからの流れを追う全6章で構成される。

     第2章は江戸中期の大坂で活躍した絵師、耳鳥斎(にちょうさい)に注目。ゆるキャラを思わせる味のある画風と卓越した発想力でどんな世界もユーモラスに描いた。中でも秀逸なのは「地獄図巻」。大根を口に押し込まれる大根役者や串に刺されて焼かれる川魚屋など、現世の職業や趣味にあわせた地獄が描かれ、クスッと笑わせる。

     第3章は「画狂人」を自称した北斎、第4章は戯画の名手である国芳と続く。北斎の絵手本「北斎漫画」には優れた観察眼によるコミカルな人物表現など戯画的な図が多く含まれ、しゃれっ気たっぷり。七福神やてんぐなど戯画の定番といえるモチーフが多く登場するのも特徴だ。「鳥羽絵集会」シリーズには鳥羽絵本からの明らかな影響が見られる図もあり、見比べるのも楽しい。

     本展の大きな見どころが、擬人化した金魚を描いた国芳の「金魚づくし」シリーズ。現在9図が知られており、前期(5月13日まで)には初めて一挙公開される。宴を開いたりいかだに乗ったりと、人間のように生き生きと動き回る金魚の姿が愛らしい。さまざまなものに魂を吹き込み、擬人化を得意とした国芳ならではの戯画といえるだろう。

     江戸、京、大坂の三都が舞台の戯画「滑稽(こっけい)名所」を集めた第5章を経て、最終章では幕末から明治を生きた暁斎を紹介する。国芳に入門後、狩野派などを学んだ暁斎は師からユーモアの感覚を受け継ぐだけでなく、先人たちのさまざまな戯画を積極的に吸収。「暁斎漫画」では洒脱(しゃだつ)なおかしみに富んだ世界が繰り広げられる。

     一口に戯画といっても描き手によって趣は異なる。会場でその違いを存分に味わいたい。


    講演会

     4月28日(土)、大阪市立美術館の秋田達也主任学芸員「鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎へ」▽5月19日(土)、東京国立博物館の田沢裕賀学芸研究部長「エッ、笑える絵って!? 絵を見て笑うということ」

     いずれも大阪市立美術館1階講演会室で14時~15時半。定員各150人で当日先着順。無料(ただし当日の本展観覧券が必要)


    会期  17日(火)~6月10日(日)=前期(5月13日まで)と後期(5月15日から)で一部の作品を展示替え。月曜休館(4月30日は開館)。入館は9時半~16時半

    会場  大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町、大阪市総合コールセンターなにわコール06・4301・7285)

    観覧料 一般1400(1200)円、高校・大学生1000(800)円、中学生以下は無料。かっこ内は20人以上の団体料金

    主催  毎日新聞社、大阪市立美術館、MBS

    後援  ベルギー大使館

    協賛  大和ハウス工業

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