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影山貴彦のテレビ燦々

抜群の面白さ「宮本から君へ」 心打つ「生きることの苦さ」

 <影山貴彦のテレビ燦々(さんさん)>

     「宮本から君へ」。1990年から94年にかけて、雑誌「モーニング」(講談社)に連載された、新井英樹の漫画だ。2009年には、太田出版から豪華本が刊行された。都内の文具メーカーの営業マンとして働く主人公・宮本浩が、壁にぶつかり、生きる意味に思い悩みながら一歩一歩成長してゆく姿を描いた秀作で熱烈なファンも多い。

     「宮本から君へ」が、テレビ東京制作でこの春ドラマ化される。しかも主人公を演じるのは池松壮亮だと知り、放送が待ち遠しかった。内面からほとばしる感情表現がとても上手い池松。彼が宮本をどう演じるか、楽しみで仕方なかった。さらに会社同僚の田島役にキャスティングされたのは、柄本時生。最強の2人と言っても過言ではない。

     ドラマは期待を裏切らないどころか、それを上回る出来ばえだ。電車通勤の途中に毎朝出会う女性に恋心を寄せながら、何カ月も話しかけることさえできないままの宮本。そして、そんな彼をはやし立てながら見守る田島。冒頭のシーンに触れるだけで、青春ドラマの王道と感じた視聴者も多かろう。深夜ドラマならではの自由な空気がいい。笑いのセンスも光る。

     だが、この作品の最も素晴らしい点は、「苦さ」をしっかり描いていることだ。「甘さ」に流れ過ぎることなく、表層的なオチで片付けることもしない。もがきつつ、なんとか前に進もうとする主人公の姿を真正面から描いているところが、触れる人の心を打つ。

     蒼井優、松山ケンイチなど、超大物も出演する。作品に魅力があふれているからだろう。


     ■人物略歴

    かげやま・たかひこ

     同志社女子大学メディア創造学科教授。1962年生まれ。元MBSプロデューサー。ABCラジオ番組審議会委員長。「カンテレ通信」コメンテーター。

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