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我らが少女A

/253 第7章 14=高村薫 田中和枝・挿画監修

 真弓は娘を乳房に吸い付かせたまま、片手のスマホのインスタグラムに見入るうちに、今日もまたちょっと時間が経(た)つのを忘れている。どこかのアートスペースで行われたインスタレーションのスナップが、タイムラインの上でコラージュになって重なり合い、朝ご飯とか洗濯とか掃除といった自身の日常の外に、三・五次元の異世界を開いて見せる。そこに頻繁に<いいね!>を付け、コメントを残し、フォロワー同士でアートを語る言葉を投げ合う人びとの意識の高さには全然ついてゆけないのに、飽きずにアート系のハッシュタグを追うのはそこに玉置悠一がいるからかもしれない。死んだ朱美をぷよにするような神経に辟易(へきえき)しているくせに、家族や友人との間にはない非日常の緊張感が、ある種のスリルになっているのかもしれない。

 真弓は、そう自覚する程度には冷静だが、未(いま)だ一歳にならない娘を抱えて日々育児に追われながら、…

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