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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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地方はいま/4 奈良県十津川村 橋修繕、許さぬ財政

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 朝からの説明会は予定の時間を超えても続いた。4月上旬、奈良県十津川(とつかわ)村の集会場。村がダムの底にたまった土砂の捨て場を近くに造る計画を説明すると、住民から発言が相次いだ。

 「歩道のない狭い橋を重機やダンプが頻繁に通ることになる。おばあちゃんが手押し車で歩かれへん」「近くのつり橋、直してもらえんのか」。73年前に架けられ、2015年に通行止めとなったつり橋「猿飼(さるかい)橋」の修繕を求める声が上がると、村の担当者が現状を訴えた。「村は通行止めの橋が日本一多い。もっと通行量が多くて危険な橋の修繕を優先したいので……」

 紀伊半島の中央にある山間の村は「広さ日本一」だ。県の5分の1を占める面積に約3300人が点在して暮らす。南北を熊野川が貫き、支流を合わせた川沿いに集落が集まるため村道には45のつり橋を含めて173の橋がかかる。

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