<広げよう おはなしの輪>
◆謎のいきものUMAを探せ!
文と絵 たかいよしかず
「今はあなた方を生かしておきましょう。そのうちまた会うことになるでしょう。それまでにせいぜいUMAの研究に打ち込むといい」
雲の上からドクター・グッチーの声がこだました。「ゲハゲハゲハゲボッ」と不気味な笑い声を聞きながら、僕たちはまっさかさまに落ちていった。
「チュパ、助けてー」
ブルン! という音がして、飛行モードに変身したチュパが目の前に現れた。「Good Job! チュパ!」。「Good Job」というのは「いい仕事をしたぜ」という意味なんだ。本当にチュパには絶妙のタイミングで助けてもらったよ。
「チュパ、荷物を見つけないと、イエティ探しに行けないよ」
僕たちを乗せたチュパは、雲の間を全速力で飛んでいった。チュパにはカーナビのような機能がついているのか、あっという間にドラゴンと遭遇した場所まで戻ってきた。
「あっ! 島が見えるよ」
チュパは迷いなくその島に着陸した。
「あれは、わしらの荷物じゃな」
ドラゴンに体当たりされたチュパは、重い荷物を島に置き、キナミ博士を乗せたドラゴンの後を追ってきたらしい。
「は~~~、僕、疲れちゃったよ」
チュパもぐったりした様子で、荷物にもたれかかってうとうとしている。キナミ博士が荷物の中からテントを取り出し、素早く組み立ててくれた。テントの中で毛布にくるまると、僕はあっという間に眠りに落ちた。
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