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号外北朝鮮が核実験場を廃棄「威嚇ない限り核兵器使用しない」
震災遺構

大槌町旧役場庁舎7.8億円 社会的価値試算

大槌町旧役場庁舎=岩手県大槌町で2017年12月、中尾卓英撮影

 東日本大震災の津波で町長ら40人が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎について、関西大社会安全学部の永松伸吾教授(減災政策)らが、保存すれば30年間で約7億8000万円の社会的価値を生むと試算した。旧庁舎は解体か保存かの議論の末、3月に解体で決着したばかり。永松教授は「震災遺構は防災教育や減災研究に役立つ国民共有の財産」と指摘し、保存に向けた法整備の必要性を訴えている。【中尾卓英】

     目的地までの旅費などを価値とみなす「ゾーン・トラベルコスト法」を用い、今春卒業したゼミ生の辻萌奈美(もなみ)さんと試算。2014~16年度に震災学習などで旧庁舎を訪れた約2万9000人が負担した費用を約13億円と計算したうえで、訪問者の減少を考慮しても旧庁舎の価値は今後30年間で約7億8000万円と算出した。永松教授によると、震災遺構の価値が試算されるのは初めてという。

     旧庁舎は、町議会が先月、解体経費を含む約4700万円の補正予算案を可決した。町は一時、30年間で最大約1億500万円となる旧庁舎の維持管理費を示していた。

     各地の経済復興施策や復興まちづくりにも関わってきた永松教授は「保存か解体かの二元論ではなく、外観をドームで覆ったり、解体後に他の場所に移設したりするなど、第3の選択肢を検討してほしい」と訴えた。

    多くが解体・撤去

     津波に襲われた太平洋沿岸では、かさ上げ工事や防潮堤建設が進む中、多くの建物や港湾施設(震災遺構)が解体・撤去された。

     犠牲者が出た公共施設やビルは「震災を思い出してつらくなる」という遺族や被災者への配慮や、保存費用が膨大になるとの理由から解体が検討された。一方で保存を模索する動きもあり、復興庁は2013年11月、被害を後世に伝え、防災教育にもつながる震災遺構と位置づけ、1自治体1施設に限り復興交付金での保存を認めた。

     宮城県南三陸町は、町職員らが犠牲になった防災対策庁舎について、県の管理が終了する31年までに保存するかどうか決める。復興交付金の適用第1号となった岩手県宮古市のたろう観光ホテルは、約2億円を投じて安全対策が施された。

     だが、復興交付金は使途を安全対策など初期費用に限り、維持管理は地元負担。また、交付の条件に住民合意やまちづくりとの整合性を求めたため、自治体によっては保存か、解体かの議論が続くことになった。

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