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18歳成人

未成年者と混在、高校苦悩

 成人年齢を20歳から18歳にする民法改正案の今国会での成立を目指す政府は16日、引き下げ後に生じる可能性がある問題の対応策を検討する関係府省庁の連絡会議(議長・上川陽子法相)の初会合を開いた。民法が改正されれば、高校生に成人と未成年が混在することになり、自治体や教育関係者から懸念の声が上がっている。

     「生徒には『親が守ってくれる』という気持ちもある。きちんと自分で判断したり、行動したりできるのだろうか」。神奈川県立高で家庭科を担当する女性教諭(53)は不安を訴える。現行法では未成年は契約に関して保護対象になっており、親の同意のない法律行為は取り消せる「未成年者取消権」がある。しかし、18歳が成人になれば取り消し権のない高校生も出てくる。

     成人ならクレジットカードのほか、スマートフォンの契約も本人ができる。女性教諭は「契約内容や解約方法を知らないままスマホを使っている生徒も多い。今より踏み込んだ教育が必要になるだろう」とみる。

     消費者庁のオフィスがある徳島県。県学校教育課の職員は「今も成人したばかりの20歳の若者をターゲットにした消費者被害が多い。成人になった高校生が未成年の高校生に『名義貸し』するという問題も起きかねない」と警戒する。同庁と連携して高校での消費者教育に力を入れており、既に成人年齢の引き下げにも触れているという。

     実際にトラブルが起きた時に、教員が対処を迫られる事態も想定される。高知市生涯学習課の担当者は「法律が専門ではない教員が対応するには難しい事案もあり、心理的な負担が大きくなるのではないか」、浜松市教育総務課の職員は「保護者の同意が必要な学校関係の書類も、成人と未成年で変えなければならなくなる」と懸念を示した。

     成人になった生徒が指導に対してこれまでとは違う反応をする可能性もある。大分県の私立高で教壇に立ってきた60代男性は「大人なのだから放っておいてくれ、と開き直る生徒が出るかもしれない。保護者にも同じような態度を取られたら、学校のルールが崩れてしまう」と話した。【金秀蓮、蒲原明佳、岩間理紀】

    連絡会議が初会合

     16日の連絡会議には、民法を所管する法務省や消費者庁など8府省庁と内閣官房の幹部らが出席した。

     引き下げに伴い、18歳から親の同意なくローンやクレジットカードの契約が結べるようになることなどから、悪質商法によるトラブルの拡大が懸念されている。また、全国の多くの自治体が1月に開く成人式は、大学受験シーズンと重なることなどから時期やあり方も議論になっている。

     改正案が成立すれば約140年ぶりの成人年齢見直しとなる。政府は2022年4月の施行を目指している。【和田武士】

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