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熊本地震2年

本震50分前に誕生 家族癒やす満開の笑み

父児郎さんに抱っこされる京華ちゃんを見つめる母あずささん(左)と長男明輝さん(右)=熊本市中央区で、徳野仁子撮影

 熊本市中央区で暮らす会社員、飯田児郎(じろう)さん(40)と妻あずささん(45)の長女京華ちゃんは16日、2歳の誕生日を迎えた。本震のわずか50分前に生まれた。自宅は無事だったが、児郎さんの勤め先が休業するなど家族の生活は一変した。そんな中、すくすくと育つ姿が名前の通り周囲を癒やす花となり、家族の笑顔を誘っている。

 2016年4月14日の前震後、あずささんの陣痛が始まり、京華ちゃんが生まれたのは同16日午前0時29分だった。約50分後、病室で児郎さんが京華ちゃんを抱き上げた瞬間、ドスンという音が響いて本震が襲った。児郎さんにぎゅっと抱きしめられた京華ちゃんは寝息を立てていた。病院はガスと水道が止まり、初めての沐浴(もくよく)は退院後で、生まれて5日がたっていた。

 当時、児郎さんが勤める精肉卸売会社は、仕入れ先の被災などで一時休業に追い込まれた。看護師だったあずささんも職場復帰したが、出産のためか腰などに痛みが残り、同僚らの協力で勤務時間を短縮してもらった。地震で家族の生活が一変する中、明るい笑顔で癒やしてくれたのが京華ちゃんだった。

 1歳の誕生日を迎える前の昨年4月上旬、京華ちゃんは歩き出した。同じころ「パパ」「ママ」と言えるようになった。1歳を過ぎた頃、補助器具が付いたはしを渡すと首を左右に振り、普通のはしを器用に使い始めた。「知らないうちに人の動きを観察しているみたい。私よりのみ込みも早いのかな」とあずささんは笑う。

 今、児郎さんが朝出勤する時は、とことこと近づいて棚の上の財布や携帯電話、鍵を指さして渡そうとする。元気に「ありがとう」とお礼も言える。長男明輝(はるき)さん(17)と遊べば笑顔で大騒ぎだ。

 「家族みんなが仲良くいられるのは、たくましく育つ京華のおかげ。私たち家族も負けていられないね」。あずささんは、隣で「パパ、だっこー」とせがむ愛娘を見て目を細めた。【柿崎誠】

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