◆『龍の耳を君に』丸山正樹・著(東京創元社/税別1700円)
ろう者と健聴者をつなぐ手話通訳士の荒井尚人が、二つの殺人事件を介して司法や社会の矛盾を見つめるベストセラー『デフ・ヴォイス』。本書はその続編だ。荒井はまたも、先天性失聴者や中途失聴者、声で話すことが難しい子どもなどが絡む三つの事件に関わっていく。
第1話で荒井は、先天的ろう者が被疑者となった強盗事件の法廷通訳を務める。被疑者が〈騒ぐな、金を出せ〉と「音声日本語」ではっきりとしゃべれたかが争点になる。第2話では、ろう者だけを狙ったろう者による詐欺犯罪集団が登場。荒井は、取り調べ段階での通訳を担う。一連の事件の主犯格である青年は、読話(唇を読む)も口話もかなりできるため、本当は聞こえているのではないかという疑惑を持たれる。白眉(はくび)は第3…
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