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木々にはそれぞれ「第一印象」がある。樹木医の逢坂淳さん(51)が、その百年桜を初めて目にした時に感じたのは、「ずっと苦労してきた長老に対して抱くような温かみ」だった。
青森市石江の国立ハンセン病療養所「松丘保養園」。約24万平方メートルの敷地には、3000本以上の木が植えられている。2011年秋、逢坂さんは園内に初めて足を踏み入れ、ソメイヨシノの巨木に出合った。樹齢は100年ほど。桜の名所「弘前公園」にある数々の名木にも匹敵する。
「長老」の体は傷んでいた。腐った幹の中。弱々しく小さな葉。ここ20年ほどはほとんど放置されてきたと一目で分かった。その一方で、以前は誰かが手入れしていた痕跡もあった。
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