連載

京都観察いま・むかし

毎日新聞デジタルの「京都観察いま・むかし」ページです。最新のニュース、記事をまとめています。

連載一覧

京都観察いま・むかし

八木先生の覚え書き/42 京大「タテカン問題」 都市景観と表現の自由考える /京都

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 大阪の政治学習団体のメンバーがビラ貼りで軽犯罪法と屋外広告物条例違反の罪に問われた裁判で、「ビラ貼りは個人の主張や意見を一般に伝える方法としてもっとも重要。一般市民が通行する場所にビラを貼る保障は十分にすべきだ」と、堺簡易裁判所が無罪判決を出したのは1987年5月のことでした。当時、筆者は毎日新聞の学芸記者として、“思想・表現の自由”の視点から取材を続け、この意外で画期的な判決の意義を解説コラム「ニュースきょうあす」(87年5月28日付)に執筆しました。もう31年も前のこの判決(上級審では逆転有罪)を思い出したのは、筆者の念頭に「京都大学タテカン問題」があったからです。ビラ貼りとタテカンではいささか趣を異にしますが、思想的には類似性があります。

 「京大タテカン問題」は本紙でも報じられたので御承知の読者も多いと思います。昨年来、京都市が「京都市屋外広告物等に関する条例」に基づいて京大当局への行政指導を実施したのがことの発端でした。つまり、市は学生たちのタテカンを、常時あるいは一定期間継続して屋外で公衆に表示される“屋外広告物”であり、条例が設置を禁止している擁壁への立てかけや公道の不法占拠にあたるなどと判断したわけです。市の「京(みやこ)…

この記事は有料記事です。

残り1816文字(全文2343文字)

あわせて読みたい

注目の特集