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森友学園への国有地売却と関連文書の改ざん問題で大揺れになる中、財務省の福田淳一事務次官がセクハラ発言問題で辞任を表明した。
税と予算を担当する強大官庁の混乱は収まる気配がない。しかもこうした時こそ麻生太郎財務相ら政治家が自ら収拾に乗り出すべきなのに、対応は後手後手に回っている。
なぜ、こんな事態に陥っているのか。やはり「政と官」双方が自らの保身に走り、責任を取ろうとしないからだろう。
セクハラ問題では、テレビ朝日が、被害を受けたのは同社の女性社員だったと発表し、週刊誌報道の内容を認めた。ところが福田氏はその後も「セクハラに当たらない」と否定し、報道で騒ぎになって仕事にならないから辞めると言わんばかりの説明を繰り返している。
財務省は被害女性に名乗り出るよう呼びかけるというお門違いの対応に出て火に油を注いだ。麻生氏もなお福田氏をかばっているようだ。
野党は麻生氏の辞任を求めて、国会審議を拒否している。政治全体が今、混乱の極みにある。
麻生氏は改ざん問題の調査を終えて自ら決着をつけた段階での辞任を考えているのかもしれない。そこには辞任後も自民党内で発言力を保ちたいとの狙いが透けて見える。
しかし森友問題では財務省が学園側にうその口裏合わせをしようと要請していたことなど新事実が次々と発覚し、信用は既に失墜している。麻生氏の下での改ざん問題の調査に国民はどこまで納得するだろうか。
佐川宣寿氏の後任の国税庁長官も決まらない異常事態である。泥沼を抜け出すためには早急に人心一新を図る必要がある。
一方、安倍晋三首相は福田氏の早期辞任を望んでいたというが、対応は鈍かった。秋の自民党総裁選で協力を求めるため麻生氏には遠慮しているのだろうか。麻生氏が辞任すれば、次は首相の責任論につながるのも避けたいのだろう。そんな政治的思惑を優先する姿勢が逆に政権の統率力を鈍らせているように見える。
首相は「行政のトップとして一つ一つの問題に責任を持って全容を解明し、ウミを出し切る」と語った。そのウミは「政と官」双方にたまっていると言うべきである。