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梅津時比古・特別編集委員の「コンサート」にまつわるエッセー。

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井上道義指揮大阪フィルのショスタコーヴィチ=梅津時比古

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時代の価値観による弾圧

 新しい社会人や新入生が、春の光を吸いとって歩いている。

 いつの時代も、その若さは裏切られることがある。

 井上道義指揮大阪フィルハーモニー交響楽団が、第516回定期演奏会で、旧ソ連の作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲第2番《十月革命》、同3番《メーデー》を取り上げた(3月10日、大阪・フェスティバルホール)。

 音楽史上、ショスタコーヴィチほど評価の激変に見舞われた作曲家はいないだろう。東西冷戦時代、西側諸国は長い間、ショスタコーヴィチをソ連のプロパガンダの作曲家と見なしていた。ところが、ショスタコーヴィチから聞き取りをしたとされる「ショスタコーヴィチの証言」が1979年に刊行されてから、ショスタコーヴィチへの見方は一変する。前衛的な手法を用いて事実上スターリンから批判されたショスタコーヴィチは、それが…

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