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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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地方はいま/7 秋田県藤里町 ひきこもり、働く力

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エプロン姿の小玉栄さんとキッシュ作りの打ち合わせをする菊池まゆみさん(右)=秋田県藤里町で
エプロン姿の小玉栄さんとキッシュ作りの打ち合わせをする菊池まゆみさん(右)=秋田県藤里町で

 10年近く前、秋田県藤里町の社会福祉協議会に勤め、高齢者宅を戸別訪問していた菊池まゆみさん(62)は、仕事をせず、昼から家で過ごす人々に気付いた。多くは男性。昨年度まで国が調査してきた「ひきこもり」は15~39歳だが、状態が長期化したのか、中年世代も目立つ。

 国内最速で人口減と高齢化が進む秋田県。白神山地を抱える藤里町はその中でも減少率は全県トップ、高齢化率は2位で、現役世代は貴重な存在だ。長く働いていない人も含めて調べたところ、18~55歳のうち113人、約8・7%を占め、現役世代の23人に2人が孤立がちな生活を送っていた。

 「外に出ませんか」。ショックを受けた菊池さんらはレクリエーションなどを企画したがうまくいかない。困り果てていたころ、社協スタッフの採用試験に、21歳の男性が現れた。友人関係に悩み高校を中退し、周囲と没交渉になっていたが「同世代が就職し始め、焦った」と打ち明けた。

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