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もう一度食べたい

オゴなます ハレの食卓、島の母の味

「このサイズが食べごろ」と海藻のオゴを手にする松本烝二さん

 磯の香をまとったあさぎ色の「オゴなます」。かむたびに「コリッ、コリッ」と耳奥に心地よい音が響く。まるで歯ごたえを確認するかのような--そうか、この音なのか。兵庫県養父市の主婦、藤岡弘子さんの耳に残る六十余年も前の食感。忘れられないはずの味と音である。

 藤岡さんから便りをいただいたのは昨年春。ふるさとは瀬戸内海の因島(現広島県尾道市)と書かれた手紙には「私が14歳のとき母は他界しましたが、行事があるたびお膳に並ぶ料理に『オゴなます』がありました。コリコリした歯ごたえが大好きで、作り方まで教わりました。私は79歳になり、あの味に出合うことはもう無理かとあきらめています。もし口にすることができたらうれしいです」とあった。

 私も瀬戸内の島育ちだが、海藻の「オゴ」は採ったことも食べたこともない。「海藻採りなら暑い時期か」と…

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