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顔認証

金融機関で続々 本人確認、高精度に

三井住友FGが導入した生体認証アプリ。IDやパスワードの代わりに顔認証で本人確認できる=千葉市美浜区で2017年10月2日午後3時27分、長谷川直亮撮影

 スマートフォンのカメラなどで顔の特徴を読み取り、本人確認する「顔認証」の導入が金融機関で相次いでいる。偽造やなりすましが困難で、パスワードのように忘れるリスクも無いことから、IT(情報技術)と金融を融合させたフィンテックの取り組みとして利用が広がりそうだ。

     三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の消費者金融、SMBCモビットは今年3月、スマホアプリへのログインや借入時の本人確認に顔認証を導入した。事前に登録した個人情報と、顔、声、指紋のうち二つの組み合わせで本人と確認する。

     この技術は、三井住友FG子会社のフィンテックベンチャー「ポラリファイ」が開発した。日本生命は23日、ポラリファイの技術を採用し、生保業界で初めてスマホアプリに顔認証を導入すると明らかにした。アプリへのログインや、将来的に住所変更手続きなどができるようにする。

     本人確認はIDとパスワードを使用するのが一般的だが、サービスごとにパスワードを設定するのは手間がかかる上、忘れたり、他人に盗まれたりするリスクもある。ポラリファイの担当者は、「顔認証なら盗まれる心配は無く、当社の技術を採用する企業なら、1回登録するだけで使えるため劇的に便利になる」とアピールする。

     顔認証は地銀にも広がっている。香川銀行は1月から、大日本印刷の技術を用い、スマホアプリでの口座の残高照会に顔認証を導入した。大日本印刷によると、「顔の細かい特徴やまばたきを検知して判断するため、双子や写真の画像でも本人と区別できる」という。西日本シティ銀行も4月から、店舗に大日本印刷が開発した専用端末を設置。顔認証を使って口座開設やキャッシュカードの発行手続きがその場でできることを目指した実験を始めた。西日本フィナンシャルホールディングスの担当者は「費用対効果を考えると莫大(ばくだい)な投資はできない。フィンテックは外部といかに提携するかが大切だ」と話す。

     買い物などの決済に活用する試みも始まっている。三菱UFJFGは23日から、東京・丸の内の同社内に設けた実験用店舗で、顔認証の実証試験を開始した。店を出る際に、買い物した人の顔と商品をセンサーが読み取り、事前登録した顔の画像をもとに個人を識別。同社が発行を予定するデジタル通貨「MUFGコイン」から自動的に代金を引き落とす。将来、銀行店舗での活用を目指すという。【土屋渓、深津誠、竹下理子】

    顔認証アプリを使った金融機関のサービス

    SMBCモビット      借り入れの際の本人確認

    日本生命(予定)      住所変更などの手続き

    三菱UFJFG(実証実験) 社内の売店での買い物

    香川銀行          口座の残高照会

    西日本シティ銀行(実証実験)店頭端末で運転免許証写真と本人を照合

     【キーワード】顔認証システム

     カメラに映し出された人の顔を、データと照合して自動的に判別する技術。コンピューターが人の目や鼻など個々の特徴を見つけ出し、あらかじめ登録された写真などと照合して個人を特定する。過去に撮影した若い頃の写真でも、細かい顔の特徴から正確に判別できる。人工知能(AI)を使って、顔の向きが違う場合や解像度が低い画像でも判別できる高度な技術も開発されている。近年、空港の出入国審査やテーマパークの入場ゲートの本人確認などに利用され始めている。防犯カメラに組み込んで不審人物の検知に役立てようと、コンビニなどで導入する動きもある。米アップルのiPhone(アイフォーン)10(テン)のロック解除にも顔認証が導入された。

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