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日本の近代写真史において、特に輝きを放っているのは1930年前後に花開いた「新興写真」ではないか。東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催中の「『光画』と新興写真モダニズムの日本」は、その始まりと多彩な展開を3章構成約150点で紹介する展覧会。中でも関西の作家たちの作品群に目を奪われる。
新興写真は、ドイツの新即物主義やシュールレアリスムなどの影響を受けた作品を指す。具体的には、カメラやレンズの特性を取り込みつつ、実験的技法を展開したものが多い。第1章は、先行した欧米の作品群を紹介する。
もっとも本展は、先述した語句解説では語り尽くせない多様さが新興写真にはあると示すことを主眼とする。縦軸となったのが、当時発行された紙媒体。全18号で約70人の作品が載った伝説の雑誌「光画」(32~33年)や、たった3号で終わった「新興写真研究」(30~31年)が中心だ。
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