
「すぐに連絡が付く場所を確認させてください」
天皇陛下が気管支肺炎で入院された2011年11月、漢籍や中国史などを専門とする学者たちに内閣官房職員が次々に電話をかけた。通話内容を口外しないことも求めた。
対象は、平成に代わる元号案の考案を非公式に委嘱された学者たち。ただちに正式な委嘱に切り替えねばならなくなった場合に備え、念のため連絡先を極秘に確認したのだ。
その後の12年2月には陛下の心臓バイパス手術も行われた。皇室も含めた内政担当の内閣官房副長官補室(01年までは内政審議室)の緊張が、平成期で最も高まった。ある事務方職員は「水面下でさまざまなシミュレーションをした」と証言する。
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