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同性カップル

パートナーに「遺産を」 45年同居、相続求め親族を提訴 大阪地裁

 50年近く同居していた同性パートナーが亡くなった際、相手の親族に火葬への立ち会いを拒否され、共同経営していた事務所も廃業させられたとして、大阪府内の男性(69)が26日、親族に慰謝料700万円の支払いと、パートナーが所有していた不動産の引き渡しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。原告側代理人によると、同性カップルの遺産相続を巡る訴訟は極めて異例で、男性は「同性でも対等の権利を認めてほしい」と訴えた。

     訴状によると、男性は8歳年上のパートナーと1971年ごろから同居し、自営の事務所を設立。パートナーが代表に就いたが、実際には男性だけが働いて生計を立てていた。

     パートナーは前立腺がんなどで度々入院し、男性は毎日見舞いに訪れていた。相続問題に備えて養子縁組も検討していたが、パートナーは2016年に心臓発作で急死した。

     親族は、男性が葬儀で家族席に座ることや火葬への立ち会いを拒否。さらに、事務所の賃貸契約を解除したり、パートナー名義の通帳を持ち出したりし、事業の閉鎖を余儀なくされたとしている。

     遺言書はないが、男性側は「相手が亡くなった場合は全財産を相続する」と13年ごろに口頭で合意したと主張している。

     大阪市内で記者会見した男性は「同性カップルへの差別は歴然と存在する。誰かが声を上げないと状況は変わらない」と訴えた。【戸上文恵】

    同性婚制度なく、国内の対応遅れ

     同性婚が認められていない国内では、遺産の相続人は配偶者や子どもなどに限られるが、海外では同性パートナーにも相続の権利を認めている国もある。

     国内でも近年は性的少数者(LGBTなど)への理解が進み、同性カップルに証明書を交付するパートナーシップ制度が東京都渋谷区や兵庫県宝塚市など7自治体(4月1日現在)に広がっている。

     ただ、制度は生命保険金の受け取りやマンション入居時の活用を想定しており、相続問題には対応できていないのが現状だ。

     内縁の夫婦の場合、法律婚に準じて遺族年金などの受給が認められることもある。遺産相続できるよう養子縁組する同性カップルも多いが、相手の親族から無効を主張される可能性もあるという。

     米国やオランダなどには同性婚の制度があり、イタリアは同性パートナーにも遺産相続や年金受給の権利を認めている。

     早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「海外でも当事者が裁判を起こして道を開いてきた。国内で同様の訴訟は初耳で、裁判所がどこまで権利を認めるか注目される」と話した。【戸上文恵】

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