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無罪判決

「包丁見せた」 大阪簡裁「雑談で調書、信用できず」

 包丁で隣人を脅したとして、暴力行為等処罰法違反の罪に問われた清掃員の男性(64)=大阪市西淀川区=に、大阪簡裁(井野口攝裁判官)が26日、無罪判決(求刑・罰金20万円)を言い渡していたことが分かった。容疑を認めたとする調書があったが、男性は公判で「自宅でサラミを切っていただけ。調書は勝手に作られた」と主張。判決は調書の信用性を否定した。

     これまでの公判によると、夜勤明けだった男性は2016年6月朝、自宅マンションの台所でビールを飲みながら、つまみのサラミを切っていた。外で人の気配がしたため、手が届く距離の玄関ドアを開けると、話したことのない隣人が立っていた。男性が包丁を持ったまま「なんか(何か用か)」と言ったところ、隣人は走って逃げ、「包丁を突きつけられた」と110番したという。

     男性は暴力団組員だったが、10年以上前に引退。大阪府警の任意聴取に「組員時代は武器を持って玄関先に出ていた。今回も念を入れて包丁を持っていた」などと答えたとする自白調書が作られた。

     男性は否定したが、大阪区検は「包丁を見せて脅した」として略式起訴。男性は納得できず、正式な裁判を求めた。

     大阪簡裁の公判で、男性は起訴内容を否認。井野口裁判官は判決で「男性が包丁を持って応対する理由はない」として無罪を言い渡し、「組員時代のことを話した雑談を警察官が調書にした疑いがある」と捜査を批判した。

     男性は取材に「調書が勝手に作られたと警察にも検察にも言ったが、聞く耳を持たれなかった。裁判官だけが分かってくれた」と話した。【遠藤浩二】

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