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社説

福祉担う人材の確保策 「やりがい」伝える工夫を

 介護など福祉現場での働き手不足は深刻だ。このままでは団塊世代が75歳を過ぎる2025年には大量の介護離職が生じる恐れがある。

     現役世代が働き続けられるようにするために、介護や保育の人材確保策を急がないといけない。

     昨年の有効求人倍率は全国平均で1・50倍だったが、介護職は都市部の自治体で5倍を超える。介護施設をつくっても職員が足りないため運営できない例もあるほどだ。

     福祉に人材が集まらないのは賃金水準の低さが挙げられる。ここ数年、政府は福祉職員の処遇改善策を実施しているが、一般職の賃上げに追いついていないのが現状だ。

     安倍政権は「介護離職ゼロ」を掲げ、介護職員を25年までに大幅に増やす方針だ。介護福祉士を目指す学生に月5万円の修学資金を貸し付けることや、仕事を離れた人が再び仕事に就く場合の20万円の準備金の貸付制度も検討している。

     ただ、資格取得の促進や経済的支援だけでは効果は限定的だろう。

     福祉系の大学や専門学校では介護福祉士や社会福祉士の資格を取得しても、卒業後に自治体や社会福祉協議会などの事務職を目指す学生が多い。高齢者や障害者支援のやりがいや楽しさを教えることができる教員が少ないことが指摘されている。

     福祉現場から離職する理由としては「相談できる人がいない」「法人の理念がよくわからない」という声がよく聞かれる。経験を積んだスタッフが足りないため、若い職員の育成ができず、離職を止められないという悪循環が生じているのだ。

     介護福祉士の資格取得者のうち現場で働いているのは半数程度と言われる背景には、賃金水準の低さとともにそうした事情がある。

     福祉系大学の授業や実習の見直し、現場職員に対する支援や育成を充実させることが必要だ。国や自治体が職場横断的に現場職員の育成や相談の体制を構築していくことも検討してはどうだろう。

     最近は福祉系以外の大学・学部から福祉現場への就職を希望する学生が増えている。一般企業を中途退職する人の中にも福祉現場を転職先に考えている人が多い。そうした人々への情報提供や育成についても拡充していく必要がある。

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