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社説

防災責任認めた大川小判決 教育現場への重い警鐘だ

 子供の命を預かる学校が担うべき防災責任を重くとらえた判決だ。

     東日本大震災の津波で84人の児童と教職員が犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族が、市と県に損害賠償を求めた訴訟で、仙台高裁が14億円超の賠償を命じた。

     判決は、学校管理の最高責任者である校長をはじめ、教頭や教務主任らによる組織的な防災対応の不備を明確に指摘した。

     津波の襲来を知った後、津波を回避し得る裏山とは別の場所に児童を避難させた教師の判断ミスだけを認めた1審と比べ大きく踏み込んだ。

     学校保健安全法は、災害時など危険発生時における対処要領の作成を学校に求めている。石巻市教委は、宮城県沖の地震の発生に備え、危機管理マニュアルを2010年4月までに作成するよう各学校に求めた。

     市の当時の防災計画では、大地震の際に河川が決壊して周辺が浸水する想定があったという。

     校長らは津波の襲来を予測し対策を講じるべきだったのに、マニュアルでは津波の際の避難先を「近隣の空き地・公園」と記載しただけだった。避難経路や具体的な避難先の記載はなく、校長らは安全対策を講じる義務を怠った--。判決はそう認定した。

     防災計画はあったものの、市が作成するハザードマップでは、学校は浸水予想区域外にあった。市側は、それを根拠に津波は予見できなかったと主張した。だが、児童の安全に直接かかわる以上、校長らは、地域住民よりもはるかに高いレベルの知識に基づいてハザードマップの信頼性を検討すべきだったとして、判決はそうした主張を一蹴した。

     災害には想定外がつきものだ。ハザードマップはあくまで目安であり、限界があることを改めて認識する必要がある。

     全国の教育現場への影響は極めて大きい。子供の命を守る備えは十分か。学校の立地条件も考慮し、防災対策を検証すべきだ。

     学校は災害時に地域住民が集まる防災拠点でもある。マニュアルの整備にとどまらず、地域を巻きこんだ防災訓練を実施することなども重要だろう。大川小の悲劇を繰り返さないための取り組みを全国で進めなければならない。

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