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元号が明治となってから満150年となる今年、関連書籍が相次いで刊行されている。
たとえば『戊辰戦争の新視点』の上下巻(奈倉哲三・保谷徹・箱石大編、吉川弘文館)だ。1868(慶応4=明治元)年正月、幕府側と薩長など倒幕軍で始まった鳥羽・伏見の戦いから翌69年の五稜郭開城までのおよそ1年半続いた戦いについて、最新の研究成果が盛り込まれている。
上巻が「世界・政治」で下巻が「軍事・民衆」。従来の研究では<戊辰戦争も「明治維新論」の一部として、中央政局とそれと対立する動向についての政治史研究>などに重きが置かれた。明治政府がどういう権力だったのかを議論する「権力規定論」。あるいは個別の戦局を検討することが主流だった。東京大史料編纂(へんさん)所の保谷所長は「国際社会の中でどうだったのか、地域社会にどんな影響を及ぼしたのか、幕藩体制をどう変…
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