連載

時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

連載一覧

時代の風

金正恩外交の勝利 恐怖後の「希望」に警戒を=京都大教授・中西寛

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
=太田康男撮影
=太田康男撮影

中西寛(ひろし)

 世界が注目した板門店での首脳会談は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が文在寅韓国大統領の手を取り、軍事境界線の北側に招き入れた場面が全てを物語っていた。西側メディアが「歴史的瞬間」を報じる中、金氏は外交舞台で見事に主役を演じ、実質的な譲歩をすることなく成果を獲得し、会談の地を後にした。

 金氏は首脳会談でまず、父・金正日国防委員長と、文氏が秘書官として同行した盧武鉉大統領との11年前の首脳会談に触れるところから始めた。盧氏への思いが強い文氏の琴線に訴えつつ、今回の会談を前回の首脳会談の再開とみなす姿勢を示したのである。

この記事は有料記事です。

残り1487文字(全文1756文字)

あわせて読みたい

注目の特集