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銭湯百景

後継者不足や経営難で廃業が相次ぐものの、銭湯は昔も今も地域のコミュニケーション拠点。身も心も解きほぐし、人間関係を紡ぎ直せる場所だ。各地の銭湯をめぐり、地域の人や物語を紹介する。

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銭湯百景

/4 タイルに映る家族の力

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開店20分前から常連客たちが続々と入り口に集まってきた
開店20分前から常連客たちが続々と入り口に集まってきた

 <くらしナビ ライフスタイル>

 神奈川県鎌倉市材木座の「清水湯」は、旧鎌倉市街地で唯一の銭湯。近代日本の代表画家、黒田清輝のアトリエ跡地に建つ瓦屋根の建物は、1955年創業当時のまま。一時は廃業を検討したが、2代目が家族の協力を得ながら二足のわらじで営業を続けている。

 ●幼いころの思い出

 浴場内の天窓から明るい光が差し込む。中央に配置された浴槽奥の壁には金魚やコイが描かれた九谷焼のタイル。床のタイルは今は珍しい六角形。ところどころ補修されているのが形の違いからわかる。

 「ガスに変える20年前まで、子どものころから1週間分のまきを作るのが自分の仕事でした」。清水湯の2代目で神奈川県藤沢市在住の会社員、清水博士さん(58)は懐かしそうに振り返る。

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