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荒川洋治・評 『田舎教師』=田山花袋・著

 (岩波文庫・799円)

 田山花袋(一八七二-一九三〇)の『田舎教師』(一九〇九)は日本近代文学の雄編。既刊の岩波文庫、新潮文庫に続く今回の文庫は新たな解説(尾形明子)を付す改版。

 利根川流域の埼玉・羽生が舞台。田山花袋は、ほとんど未知の実在の青年小林秀三(二一歳で死去・作中では林清三)の死を知り、残された日記と伝聞、実地調査をもとに、その人生を照らした。それが『田舎教師』である。その書き出し。

 「四里の道は長かった。その間に青縞(あおじま)の市の立つ羽生の町があった。田圃(たんぼ)にはげんげが咲き、豪家の垣(かきね)からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出(けだし)を出した田舎の姐(ねえ)さんがおりおり通った」。青縞は、埼玉北部地域特産の藍染め織物。

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