価値の低い医療/上 認知症高齢患者の幻覚や妄想 向精神薬、効果は限定的
毎日新聞
2018/4/29 東京朝刊
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副作用深刻 ストレス除去が優先
インターネットなどメディアを通じて医療情報が手に入れやすくなる中、エビデンス(医学的証拠)に基づく確かな医療を賢く選択することが求められている。控えた方が良いとされる治療や薬の服用など価値の低い医療行為について、3回にわたって報告する。1回目は、認知症の高齢患者に表れやすい幻覚や妄想、不安などへの対処法について取り上げる。【河内敏康】
東京都内に住む認知症の女性(76)は、家族にあらぬ妄想を訴えたり、興奮したりするようになったため、かかりつけの主治医から抗精神病薬を出された。服用後、症状は治まったが、表情はうつろで、眠気を訴え、体の動きが鈍くなった。食事も取らなくなり、心配した家族が都内の大学病院の精神科に相談した。
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