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山陰・この人

ローカルジャーナリスト 田中輝美さん(42) 地域の鉄道守りたい /島根

JR三江線の写真展の会場で「廃線は地域の可能性を減らしてしまう」と語る田中輝美さん=島根県江津市で、山田英之撮影

田中輝美(たなか・てるみ)さん

 JR三江線(広島県三次市-島根県江津市)は3月31日に最終運行日を迎えた。「廃線で涙が枯れるくらい泣いた。二度とこんな思いはしたくない」。三江線の写真展を開催していた江津市内の会場で、悔しそうに語った。元新聞記者で、現在は「ローカルジャーナリスト」。19歳から20年かけてJR全線に乗車した「乗り鉄」でもある。

     新聞社を辞める時、いろいろな人に「東京に行くんだね。頑張ってね」と言われ、県外に出ると勘違いされた。東京に出ることは考えていなかった。島根の魅力的な人や物をもっと伝えたい。地域で生きていくことをはっきり示さないと分かってもらえない。そう感じて考案した肩書が、ローカルジャーナリストだった。地域で生きる決意表明が込められている。

     「木次線は何もしなければ無くなってしまう」。愛情があるからこそ、JR木次線(松江市-広島県庄原市)の危機をあおる。三江線の廃線に直面して「危機がはっきり見えてからでは手遅れになる」と強く感じた。木次線は2016年に開業100周年を迎え、全線開通80周年を昨年祝った。

     80周年記念事業のアドバイザーも務めた。「ローカル線はどこも危機。鉄道の価値は、そこに関わっている人たちにあると思う。思い入れのある人が多くいることこそ木次線の最大の魅力。今、行動すればまだ間に合う。ギリギリの時期」と言葉に熱を込める。

     雲南市で今年2月に開かれた木次線沿線の魅力を語り合う発表会には、地元の住民団体や学校が参加した。発表会の第2部でパネリストを務めた討論会のテーマは「未来は変えられる!」。「廃線は地域の可能性を減らしてしまう」と考え、「木次線が無くならないように、今からやろう」というメッセージを発信し続けている。

     趣味、特技は「面白いことに首を突っ込む」。「やらなくて後悔するのは嫌。人生は1回だけ。わくわくして生きていきたい」と話し、忙しそうに走り続けている。【山田英之】


     ■人物略歴

     1976年生まれ。島根県浜田市出身。県立浜田高校、大阪大文学部を卒業後、山陰中央新報社(松江市)に入社して新聞記者になった。2014年に退社してローカルジャーナリストに。松江市に事務所を構えている。著書に「ローカル鉄道という希望」など。

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