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TPP

加盟国拡大、米をけん制 タイが意欲

タイのソムキット副首相(右)と会談する茂木敏充経済再生担当相=バンコクのタイ首相府で2018年5月1日午後2時55分(代表撮影)

日本、米国にTPP復帰を促したい思惑

 茂木敏充経済再生担当相は1日、タイのソムキット副首相と会談、タイが希望する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への新規加盟を日本が後押しする方針を示した。TPPはトランプ米政権の離脱後、残る11カ国で署名したが、協定は各国の手続き中で未発効。にもかかわらず、日本が加盟拡大を急ぐ背景には、貿易不均衡是正へ2国間交渉を迫る米国をけん制し、TPP復帰を促す思惑がある。【安藤大介】

     「副首相がリーダーシップをとり、TPP加盟に大きな関心を示していることを心から歓迎したい」。茂木氏は会談で、日本がタイの新規加盟を支持する姿勢を強調した。

     東南アジアでは、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、マレーシアがTPPに署名済み。タイは従来、日中韓などが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を重視していたが、交渉が進展しない中、TPP加盟方針に転じた。

     日本にとってタイのTPP加盟の利点は多い。直接的には、日系自動車や部品各社が進出するタイがTPPに参加し、他の加盟国との間で関税が低減・撤廃されれば、日系自動車メーカーなどは収益拡大が見込める。また、タイに続いてインドネシアやフィリピンなども参加への動きを加速する可能性があり、日本が主導するアジアでの多国間の自由貿易圏作りを強化できる。

     「TPPの加盟国が増えれば(協定から取り残され、成果が得られない)米国も焦るはずだ」。日本政府関係者がもっと期待するのは、TPP拡大によるトランプ米政権へのけん制効果だ。

     4月の日米首脳会談では、茂木氏とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による新たな貿易協議の枠組みの設置が決定。農産物などの対日輸出拡大を目指す米側は6月以降に始まる協議で、2国間の自由貿易協定(FTA)交渉などを迫り、有利な条件を引き出そうとすることが予想されている。

     一方で、農産物などの対日輸出で競合する豪州やアジア各国がTPP参加の恩恵を受ける見込みとなる中、米国内では農業団体などからトランプ政権に対してTPP復帰を求める声も出ている。

     日本はTPPの早期発効と加盟国拡大で米農業団体などの焦りを誘い、トランプ政権の翻意を促す戦略を描く。茂木氏がタイ副首相との会談後「(タイの参加は)米国にもいい影響を与えると期待している」と述べたのはそんな狙いからだ。ただ、米側は鉄鋼・アルミ輸入制限で日本を対象から外さないなど強硬姿勢を鮮明にしており、日本の思惑通りいくかは不透明だ。

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