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内閣府サイト

ヘイトスピーチや誹謗中傷野放し

内閣府「国政モニター」のサイト

 内閣府が国民の意見を募るために行っていた「国政モニター」のサイトに「在日、帰化人の強制退去が必要なのではないか」「鳩山(由紀夫)元総理を処刑すべきではないか」などの過激な意見が掲載されている。内閣府はサイト内で「お寄せいただいたご意見は誹謗(ひぼう)中傷などを除き、公開している」と説明しているが、事実上、ヘイトスピーチや誹謗中傷が野放しになっている。【大村健一/統合デジタル取材センター】

「不適切な意見は公表しない」としていたが…

 毎日新聞の取材に対し、内閣府政府広報室の担当者は「当時の担当者がおらず、状況をまだ把握できていないので事実を確認したい」と話した。

 国政モニターの制度は1962年6月に始まった。公募で選ばれたモニターから意見を募り、各省庁に送付して政策立案の参考にしてもらう目的だった。当初は郵送だったが、2012年度以降はネット経由となり、昨年4月からは、政府広報オンラインなど他のサイトでの意見募集が広がったため更新を停止している。しかし、寄せられた過去の意見は今も閲覧できる。

 モニターは1年間、400字以内をめどに随時意見を送り、内閣府は意見をすべて関係する省庁に送付するという。12年度以降はサイトを通じてモニターを募集、各年度400~600人が選ばれた。応募の際は氏名、居住都道府県、性別、年齢、職種、電話番号の登録が必要だった。

 政府広報室によると、郵送だった頃は回答するごとに報酬があったことから、応募者が定員を上回ることもあったが、12年度以降は報酬がなくなり、応募者全員が選ばれる年も多くなったという。

 国政モニターのサイトにはトップページに「意見、要望等を原文のまま掲載しています」と書かれているが、モニター募集の際には「誹謗中傷、差別的な内容、そのほかの不適切であると判断される意見は提出されても公表しない」との注意事項も掲げていた。

ネット募集で極端な意見

 しかし、ネットでのモニター募集に切り替えた12年度以降はヘイトスピーチや極端に右派的な意見が見られるようになった。特に外交分野の「日韓関係」で多く、17年は「韓国との国交は無くし、在日、帰化人の強制退去が必要ではないでしょうか」(大分県の50代男性)▽「外国人に対して支給している生活保護はおそらく違法であるから、即時一律に停止すべきだ。のうのうと1100万円も得ている在日韓国人はたたき出せ」(神奈川県の50代男性)--などの意見が公開されている。

 16年6月のヘイトスピーチ対策法の施行以降も人種差別的な内容は多く、法務省がヘイトスピーチの具体例として「祖国へ帰れ」などの言葉を挙げていることに反対し「『祖国へ帰れ』はヘイトスピーチではない」などと訴えた意見もあった。

 それ以外にも「シナが日本の領土を侵し、元総理でありながら国賊に落ちた鳩山氏もそれをそのまま主張している。(中略)鳩山(由紀夫)元総理を外患誘致罪で処刑すべきではないか」(大阪府の40代男性)▽沖縄県で米軍ヘリパッド建設の反対運動を行う市民グループに対して「一刻も早く彼らの排除を断行すべきです。日本人でこれに参加している者たちも外患誘致罪が適用されるべきです」(東京都の40代男性)--など、特定の人々への憎悪をあおるような意見も公開されている。

「内閣府はチェックしていたのか」

 なぜ、このような状況に陥ったのか。内閣府政府広報室の担当者は「当時の担当者は意見の内容をチェックしていたとは思うが、モニターが発信した意見を尊重したのではないか」と推測する。

 ジャーナリストの津田大介さんは「一つや二つならともかく、さまざまな分野で差別的な投稿や中傷が掲載されている。内閣府がチェックしていないのならば問題だし、チェックした上で載せたのならば、こうした意見にお墨付きを与えたわけで、大問題だ」と指摘する。そして「特に『祖国へ帰れ』などの意見は、法務省が具体的にヘイトスピーチとしている言葉で、整合性がとれない。意見を募るというモニター制度の趣旨は良かったと思うが、内閣府はその運用の実態を明らかにすべきだ」と話した。

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