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憲法カフェ

県内に広がり 「政治活動」市民ら心配する声も きょう施行71年 /千葉

 安倍晋三首相が改憲に意欲を示す中、お茶やコーヒーを片手に憲法を学ぶ「憲法カフェ」が県内でも広がっている。ただ、開催する市民からは「政治活動とみられないか心配だ」「世間話で憲法には触れにくい」との声も漏れる。3日で施行から71年を迎える憲法は、身近なテーマとなっているのだろうか。【斎藤文太郎】

     「制服がある中学や高校では、好きな服装を選ぶ権利が制限されていないか」「制服をなくした学校もある。個人のことを個人で決めようという憲法の趣旨に沿っている」。4月中旬、千葉市美浜区のコミュニティースペースに10人ほどの市民が集まった。話題に上ったのは憲法13条の幸福追求権。生活と憲法のつながりを考えてみようという「みはま憲法カフェ」の試みだ。

     2016年7月から月1、2回ずつ開催してきた。集団的自衛権を一部容認した政府の憲法解釈変更を機に地元生協の組合員有志が集まった勉強会がきっかけ。代表の宮崎智子さん(64)は「中立的な立場で学び、中身を知った上で改正が必要か不必要か判断したいと思った」と話す。

     県内の40代以下の弁護士有志でつくる「憲法を考える千葉県若手弁護士の会」は、こうした憲法カフェに講師を派遣しており、ここ数年、依頼は増加傾向にあるという。事務局を務める藤岡拓郎弁護士(40)は「改憲に前向きな首相の発言が出るたび、『憲法をしっかり学びたい』という声も高まってきた」とみる。だが参加者は中高年が中心で、30代以下は少ないという。

     憲法カフェでの学びが新たな活動に結びついた人もいる。八千代市で子供2人を育てる主婦、柴田幸子さん(35)は以前、憲法と法律の違いも分からず、「政治は偉い人たちに任せておこう」という考えの持ち主だった。

     16年6月に参加した憲法カフェで「憲法は権力を縛るもの」と聞き、衝撃を受けた。子供が生きる未来にその価値を伝えたいと考え、半年後から2カ月に1回ほどのペースで「ママ憲法の会」を自ら開催。「憲法を守らないといけないのは誰?→権力者」などと書いた紙芝居も手作りした。

     ただ、会場を借りる際は「ママ憲法の会」の名称を使っていない。ママ友同士の世間話でも憲法には触れづらいという。「自主規制のような気もするけど政治活動だと思われるのが怖いから」と柴田さん。参加者が5~6人の常連に限られるのが課題だが、「少しずつでも地道に活動を広げたい」と話している。

    教育現場は試行錯誤

     国民投票法(2014年改正)によって、改憲するかどうか決める国民投票も6月以降、選挙権同様に18歳以上に引き下げられる。学校教育を通じて若い世代に憲法をどう伝えるか。現場の教員は試行錯誤している。

     「切り口次第で憲法には触れられるが、時間が足りない」。県内の公立高校で社会科を担当する30代の女性教諭は明かす。これまでの授業では、たとえば地理なら韓国の兵役、日本史なら律令制の防人(さきもり)について教える際、「日本に徴兵制がないのは憲法のおかげだ」と伝えてきたという。

     教員同士で教え方に関する情報交換はしていない。「憲法の話題を出すと、運動家だと思われかねない」と感じるからだ。文部科学省は14年、政治的中立を保ちつつ憲法教育を充実させるよう通知を出したが、この女性教諭は「通知は職員室に張ってあったと思うが、見ない教員も多いと思う」と話す。

     別の公立高校で現代社会を教える50代の男性教諭は「改憲への賛否は、教員自身の考えを明かした上で生徒に考えてもらうのが理想だが、偏向教育ととらえられる」と悩む。改憲を巡る論点を授業で取り上げたいが、「暗中模索だ」と打ち明けた。

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