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憲法解説本

注目集める 教科書復刻/改憲草案パロディー

復刻した「あたらしい憲法のはなし」を読む童話屋の田中和雄さん=東京都杉並区で2018年4月6日午後0時17分、金子淳撮影

 憲法改正に向けた動きがある中、2冊の憲法関連本が売れ続けている。終戦後に旧文部省が出した教科書の復刻版「あたらしい憲法のはなし」(童話屋)と、自民党が2012年に発表した改憲草案を「解説」したパロディー本「あたらしい憲法草案のはなし」(太郎次郎社エディタス)だ。3日の憲法記念日を前に、出版に関わった人たちは「憲法への関心が高まってほしい」と願いを込める。【金子淳】

     「あたらしい憲法のはなし」は憲法施行直後の1947年、中学1年用の社会科教科書として発行された。憲法を「日本国民ぜんたいの意見で、自由につくられたもの」と説明し、9条の戦争放棄については「心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです」と説く。復刻した童話屋の田中和雄さん(83)は「憲法を分かりやすく熱血的に解説している」と評価する。

     田中さんは終戦間際、疎開先の栃木県で米戦闘機に機銃掃射を受け、近くの川に飛び込んで九死に一生を得た経験を持つ。約20年前、「憲法の教科書」に出会い、「今の子供たちにも読んでほしい」と01年に発行した。以来、売り上げは約23万部に上る。

     昨年の憲法記念日、安倍晋三首相は改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで20年の改正憲法施行を目指す意向を表明。今年3月には自民党が9条に自衛隊を明記する改憲案をまとめた。田中さんは「70年ずっと守ってきたのに、安倍さんの考えだけで突っ走っているようだ」と懸念する。

     京都大の岡田知弘教授(経済学)は今年1月に発行した「ポケット憲法」に、憲法全文と「あたらしい憲法のはなし」の抜粋などを掲載した。「憲法が軽んじられているのではないか。民主主義が崩れつつある今こそ、本を読んで憲法を知ってほしい」と話す。

     一方、「あたらしい憲法草案のはなし」は、「自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合」(自爆連)が著者。「国民」に替えて「日本国」を主語とする前文を「『主役は国で、国民は国の一部分である』というものです」とし、9条改正で「アメリカがはじめた戦争にも、日本は正々堂々と武器をもって参加できるようになります」と皮肉を込めた。

     16年の参院選公示日に発売。約4万部を発行した。編集者の須田正晴さん(43)は「草案の危うさは今年の自民党改憲案にも残っている。パロディー本を通じて知ってほしい」と語る。

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