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イラン核合意

正念場 米の離脱判断まで1週間

 【バンコク松井聡】2015年にイランが欧米など6カ国と結んだ核合意について、米国のトランプ政権が離脱か否かを判断する期限(12日)まで5日で1週間に迫った。核合意の維持を目指すフランスのマクロン大統領が、現行の核合意に三つの規制を加える修正案を提案し、各国に検討するよう説得に回るなど、ぎりぎりの外交交渉が続いている。

     「核合意は交渉不可能で、(核合意の)義務を超えるいかなる制約も受け入れない」。イラン大統領府によると、ロウハニ大統領は4月29日のマクロン氏との電話協議でこう述べ、三つの追加規制を含む核合意の修正交渉には応じない姿勢を示した。一方、ロウハニ師は「中東の安定や安全保障、とりわけ対テロについては話し合う準備ができている」とも表明。欧米と交渉可能な分野があることを示し、歩み寄る余地を残した可能性もある。

     トランプ氏は核合意を「史上最悪の合意」と表現し、弾道ミサイル開発の規制が盛り込まれていないことや、25年に核開発制限の一部条項が切れることなどを問題視してきた。これを補うため、マクロン氏は▽弾道ミサイル開発への規制▽核開発制限の期間延長▽シリアなど中東の周辺国への影響力行使規制--の三つの規制を核合意に加えることを提案している。

     仮にトランプ政権が核合意から離脱し、イランへの制裁を強化した場合、イラン国内では核合意を主導した保守穏健派のロウハニ師への批判が強まり、保守強硬派の存在感が高まる可能性も指摘されている。その場合、イランが対抗策として、核合意や核拡散防止条約(NPT)から離脱することも取りざたされている。

     複数の米メディアはこれまで、「トランプ政権は核合意から離脱する可能性が高い」と報じている。ただ、トランプ氏は4月30日、「新しい取引を検討しないわけではない」とも述べ、マクロン氏の提案に沿ってイランが仏などと交渉を始めた場合、米国も交渉に参加する可能性も示唆。また、ロイター通信は2日、米当局者の話として、トランプ政権が「完全な離脱ではない決定をする可能性がある」と伝えた。トランプ政権内でもまだ調整が続いている模様だ。

    「核縮小」で制裁解除 15年の6カ国・イラン合意

     イラン核合意は、国連安全保障理事会の常任理事国(米英仏中露)にドイツを加えた主要6カ国とイランが2015年7月に結んだものだ。正式名称は、包括的共同行動計画(JCPOA)。イランが核兵器開発にもつながるウラン濃縮活動の縮小や、核燃料再処理計画を放棄する代わりに、安保理や欧米などが独自に科していた経済制裁を解除するのが主たる内容となっている。

     発効から10年間は、濃縮用の遠心分離機の数を合意前の約1万9000台から約5000台に削減する。また15年間は、新型分離機の使用や、ウラン濃縮の濃度、保有量の上限なども設けた。さらに、合意の監視役を務める国際原子力機関(IAEA)に、核施設だけでなく疑惑が持たれる施設を査察する権限も無期限で与えた。

     合意前は、イランが決断すれば理論上は「数カ月以内」に核兵器保有が可能な状況にあったが、合意により「1年程度」まで伸びた。合意が破られても、外交交渉などで問題解決を図る時間的余裕を生む効果があると評価された。

     トランプ米政権やイスラエルは、10年~15年など一定期間が過ぎればイランの核活動拡大に道を開く「サンセット条項」を問題視し、イランが濃縮活動にさらに厳しい条件を加えることや、合意に含まれていない弾道ミサイル開発などについても盛り込むべきだと訴えている。【ワシントン会川晴之】

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