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小島ゆかり・評 『俳句の誕生』=長谷川櫂・著

 (筑摩書房・2484円)

周到な用意とゆるぎない論旨で核心に

 もっとも基本的な問いが、もっとも本質的な問いである。たとえば、<わたし>について考えようとするときはじめにあるのが、「わたしは誰か」という問いであるように。果たして、俳句について考える本書の序文は「俳句とは何か」。

 俳句入門でまず教えられるのは、目の前にあるものを言葉で写しとる、いわゆる写生。しかしやがて、それだけではロクな俳句ができないことに誰でも気づく。さて、どうする。「そこに何か決定的な見落としがあるのではないか」。これが本書の出発点である。

 正岡子規による俳句革新の中心にあった方法論・写生は、対象を凝視し精神を集中することが求められる。しかし、「俳句ができるのは精神を集中させているときではなく、逆に集中に疲れて、ぽーっとするときである」という。重要なのは、集中ではなく遊心ではないか。詩歌論としても実作論としても、これは見逃せないところだ。挑発的なように見えて、じつは周到な用意とゆるぎない論旨をもって核心へ攻め込む。長谷川櫂の文章のお…

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