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福岡大

孤立から守れ 精神疾患の親元で暮らす子ども支援

 福岡大(福岡市城南区)と近隣の障害者支援事業所などが連携し、精神疾患のある親と暮らす子どもたちを孤立から守る活動を始めた。自身の疾患のため子育てに手が回らない母親も少なくない。ドイツなどでは親だけでなく子どもへの支援も進むが、日本ではこれまで子どもにはあまり目が向けられてこなかった。【青木絵美】

    遊びや料理「自己主張できた」

     「仕上げは私に任せて!」。福岡大で4月下旬、精神疾患を抱える母親との母子家庭で暮らす小学生4人が、大学生や教員、障害者施設の職員らと一緒に昼ご飯の三色丼を作っていた。声を上げた1年の女児はフライパンを手に肉そぼろを炒め、得意げな顔を見せた。

     母親に対しては、以前から大学近くにある訪問看護ステーション「アトラス福岡」が家事支援などをしてきた。しかし、自身の体調管理で精いっぱいで、子どもの世話までする余裕がない母親もいる。そのため子どもたちも精神的に不安定になったり、不登校になったりすることが課題だった。

     そこで昨夏から福岡大の皿田洋子教授(臨床心理学)を中心に、「アトラス福岡」や障害者支援事業所の臨床心理士、看護師などが協力して子どもたちへの支援に取り組むことにした。

     親の同意の下、子どもたちは月1回集まって大学生と遊んだり、工作や勉強をしたりしておしゃべりを楽しむ。互いの校区が異なるため、普段の友人関係を気にせず話ができ、親の障害のことも相談しやすい。昼ご飯やおやつにはホットケーキや手巻きずし、簡単な弁当などを作る。できるだけ手軽なメニューにするのは、親が不調の時に自分でも作れるようにするためだ。

     福岡大臨床心理センター相談員、山口雅世さん(57)は「子どもたちは自分の意見や気持ちを出せるようになってきた」と手応えを感じている。

     厚生労働省の調査(2014年)によると、うつ病など気分障害の患者数は111.6万人で、子育てや働き盛りの20~40代が4割を占める。また、同省の生活保護世帯の調査(同)では、18歳以下の子どもがいる生活保護世帯のうち、約15%の親に精神障害や精神疾患がある。経済的な困窮と重なり、厳しい家庭状況にある子どもたちの存在がうかがわれる。

     ドイツやフィンランドでは、精神疾患の親元で暮らす子どもが困窮や孤立を背景に、将来疾患を発症するリスクがあるとして支援する研究が進んでいる。一方で日本での取り組みはまだ少ない。皿田教授は「子どもの時期からの予防的な関わりが必要だ」と話した。

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