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岡崎 武志・評『【実践】小説教室』『昭和浅草映画地図』ほか

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今週の新刊

◆『【実践】小説教室』根本昌夫・著(河出書房新社/税別1500円)

 今年1月発表の芥川賞受賞の二人が、根本昌夫の小説教室の受講者であったことが話題となり、受講希望者が殺到しているという。

 『【実践】小説教室』の著者は文芸誌『海燕』『野性時代』の元編集長で、島田雅彦、吉本ばなななどを世に送った名伯楽。教室で教える「伝える、揺さぶる基本メソッド」(副題)を、この一冊で開陳している。小説を書くことは難しくない。自由なのだと最初に門戸を大きく広げる。

 小説家に向く人、向かない人。書く上で何が大事か。「分岐点」や「危機」がテーマになるなど、教えは常に具体的で示唆に富む。小説家に向くのは普通の人で、論理力、構成力などの能力を有する点で仕事と同じ「実業」だ。小説家は奇人変人でないと、という一般通念は誤解にすぎない。

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