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美術評論家で大原美術館館長の高階秀爾さんのコラムです。展覧会だけでなく、今気になるさまざまなテーマを取り上げます。

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5月 生誕150年迎えた横山大観 注目集めた斬新奇抜な発想=高階秀爾

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 奇想天外より落ち、毎回人を驚かすものハ横山大観の作なり。

 明治34(1901)年の絵画共進会・日本美術院展覧会に対する岡倉天心の批評の一端である。この時の出品作「老君出関」は現在所在不明だが、天心の評語は、大観が当時すでにその新奇な構想力によって画壇の注目を集めていたことを物語っている。事実、上記の文章に続けて天心は「『屈原(くつげん)』一たび出(い)でゝより、高邁(こうまい)雄偉の新思想を画界に紹介したるもの、恐らくハ大観の右に出づる者なかるべし」と述べている。

 屈原は、中国・戦国時代の楚(そ)の詩人政治家。妬まれて失脚し、憂国の思いを抱きながら湘江に注ぐ川に身を投げた故事で知られる。

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