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防衛省

暴言の統幕3等空佐を訓戒処分 懲戒処分は見送る

防衛省庁舎の外観=小川昌宏撮影

今月中旬に空自西部航空方面隊司令部に異動へ

 防衛省統合幕僚監部の3等空佐が小西洋之参院議員に暴言を吐いた問題で、同省は8日、自衛隊法の品位を保つ義務に違反したとして、3佐を内規に基づく訓戒処分にした。同省は3佐が小西氏に「国益を損なう」などの暴言を浴びせたことは認めたが、「お前は国民の敵だ」という発言は双方の意見が食い違うことから認定せず、自衛隊法が禁じる政治的行為には該当しないなどとして懲戒処分の適用は見送った。

     訓戒は8段階ある防衛省の処分のうち、3番目に軽く、懲戒処分に該当しない軽微な規律違反に適用される。

     同省によると、3佐は4月16日午後9時前、帰宅後のランニング中に小西氏と偶然出会い、暴言を繰り返した。同省は3佐への約53時間の事情聴取などから、当時、民進党に所属していた小西氏を「気持ち悪い」「国民の命を守ることと逆行」などと罵倒したことについて、「隊員としての信用を傷つけた」と認定。過去の処分事案も参考に訓戒を適用し、今月中旬に3佐を航空自衛隊西部航空方面隊司令部に異動させる。

     自衛隊法は特定の政党や政治的目的のための政治的行為を禁じているが、防衛省は「私的な場での偶発的な発言」として政治的行為と認定しなかった。また、国民の代表である国会議員への暴言を「あってはならない」とする一方、「政治的な目的もなく、小西議員が安全保障関連法に反対しているなどのイメージからの発言であり、文民統制自体を否定するという評価にもならない」とした。【前谷宏、原田啓之】

    「自衛隊法が禁じる政治的行為そのもの」

     軍事評論家・前田哲男さんの話 国会のそばで国会議員に罵声を浴びせることは、自衛隊法が禁じる政治的行為そのもの。そうではないという防衛省の見解は的はずれだ。過去には自衛隊を批判して懲戒免職になった隊員がいるのに、今回懲戒処分を避けたのは不公平だ。甘い処分では戦前のように軍部の暴走を招きかねず、シビリアンコントロールに懸念が残る。

    「なおさら自制的であるべきだった」

     旧防衛庁官房長などを務めた柳沢協二さんの話 3佐の行為は、特定の政党候補者を応援することなどを想定した自衛隊法上の政治的行為には該当しないだろう。ただ、意見の異なる者への寛容さを欠く現代社会の風潮が自衛官にまで広がっているのは問題だ。国民の代表である国会と自衛隊の関係を考えれば、なおさら自制的であるべきだった。こうした感情が国家にまで広がれば戦争などにつながりかねない。現代社会の病根から問題を考える必要がある。

    小西参院議員「訓戒の処分は軽い」「文民統制軽んじている」

     小西洋之参院議員は毎日新聞の取材に「懲戒処分ではない訓戒とした処分は軽い」と指摘した。また、「本人の処分の前に監督責任を問うべきだ。防衛省は文民統制を軽んじている」と同省の対応を批判し、小野寺五典防衛相らの辞任を求めた。【遠藤修平】

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