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交通安全対策

「1件の大事故の裏に29件の小事故…」応用 柏市が独自の道路対策 「ヒヤリハット」分析、見通し改善 /千葉

 1件の大事故の裏には、29件の小事故、300件の事故に至らない事象が存在する--。リスクを予測する手法の一つ「ハインリッヒの法則」を応用し、柏市がユニークな交通安全対策を行っている。公用車に取り付けたドライブレコーダーの記録から事故に至る一歩手前の「ヒヤリハット」の危険箇所を分析・特定。カーブミラーを設置したり、見通しを悪くしている植栽を剪定(せんてい)するなど、より安全な道路環境の整備につなげている。【橋本利昭】

     ヒヤリハットは、事故につながりそうな突発的な出来事やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりする事案。市は、道路設計などを手がけるコンサルタント会社の協力を得て、2014、15年度は市職員らが使う乗用車、ごみ収集車、消防車などの公用車200台、16、17年度は30台に、前後・左右・上下の振動の計測もできるドライブレコーダーを設置。市内全域で急加速や急ブレーキがあった際の前後20秒間の膨大な数の映像を記録・分析した。このうちデータ件数が多い市役所周辺を詳細調査。大半は、安全運転を心がければ防げたり運転技術に問題があったりするケースだが、22カ所では、見通しが悪いなど道路や付近の障害物が要因のヒヤリハットが、1カ所につき多いところで11回も起きていた。

     調査結果をもとに、市は、緊急性が高いと判断した6カ所の市道で昨年夏までに改善を図った。「交差点注意」や「横断者注意」の看板を設置したほか、カーブミラーが1個設置されていた丁字路では、角度を変えたカーブミラーを増やして遠くからでも対向車などを確認しやすくした。下り坂でスピードが出やすい丁字路では、路面に減速を促すドット線を引いた。また、市役所敷地内の鋭角な丁字路の植え込みが、車や歩行者の通行確認の妨げになっていることから一部を剪定して見通しを良くした。

     こうした対策を講じていない残り16カ所は、優先度が低い場所のほか、市以外が管理する国道や民間施設関連。横断歩道を少しずらす必要がある場所もあったが、警察と協議が必要となるため、中長期的な課題とした。

     市交通政策課の担当者は「安全対策を完全に実施するには時間と費用がかかる。植栽の剪定によってヒヤリハットの件数が減るなど、今回のような簡易的な方法で効果を上げられたことの意義は大きい。プロジェクトの成果は今後、住民からの道路改善の要望などにも生かしていきたい」と話している。


     ■ことば

    ハインリッヒの法則

     アメリカの保険会社の技師だったハインリッヒが、労働災害を統計的に分析した結果をもとに提唱した。「1(重大事故)・29(軽微な事故)・300(ヒヤリハット)」の確率の法則性で知られ、頻度の高いヒヤリハットの対策を講じれば、頻度の低い重大事故を防ぐことができるという考え。労働災害や航空機事故、医療過誤などのリスクマネジメントの手法として取り入れられている。

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