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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第1部 「改革」の果てに/6 トップダウンの大型研究 「生産性革命」の名の下に

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内閣府の大型研究開発プロジェクト
内閣府の大型研究開発プロジェクト

 <科学の森>

公募の裏で候補者選定

 「何か目玉はないか」。昨秋、茂木敏充・経済再生担当相の周辺から内閣府幹部にこんな打診があった。安倍晋三首相が昨秋の衆院選の公約に掲げた「生産性革命」。そこに盛り込む事業を探していたのだ。「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の前倒しという手があります」。この幹部は腹案を伝えた。

 SIPは、政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI、議長・安倍首相)が2014年に始めた大型研究開発プロジェクトだ。自動運転技術などCSTIが重要だと判断して選定した11課題に、14~18年度に総額1580億円を投資。各課題の責任者である「プログラムディレクター(PD)」の下で基礎研究から実用化までをにらんだ開発を進め、「経済再生の原動力であるイノベーションを起こす」(内閣府)のが狙いだ…

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