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東日本大震災

福島第1原発事故 強制起訴公判 「対策取れば防げた」地震専門家が証言

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の第11回公判が9日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。東電が2008年に試算した想定津波(高さ最大15・7メートル)の根拠となった国の「長期評価」をまとめた島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)が出廷し、「長期評価に基づく対策が取られていれば、原発事故は起きなかった」と証言した。

     検察官役の指定弁護士側は、元副社長の武藤栄被告(67)らが長期評価に基づく対策を先送りし、事故を招いたと主張している。国の地震調査研究推進本部は02年に公表した長期評価で「福島沖を含む日本海溝沿いで巨大津波が発生しうる」などとした。東電はこの内容に基づいて想定津波を試算したが、対策には反映させなかった。一方で、内閣府の「中央防災会議」も、防災計画の作成に当たって長期評価を採用しなかった。

     02年当時、推進本部の地震調査委員会委員だった島崎氏は9日の法廷で「長期評価の公表前に、信頼度が低いと明記するよう内閣府から圧力をかけられた」と証言。長期評価の前書きに「今回の評価には限界や誤差がある」などと記された経緯を明らかにした。

     島崎氏は、中央防災会議が長期評価を採用しなかったことで「誤った(津波)対策が取られることになった」とも指摘。背景を「原子力関係者への配慮や政治的判断としか思えない」と述べ、「(国や東電が)長期評価に基づく対策を取っていれば、命はかなり救われた」と話した。【石山絵歩、岡田英】

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