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群馬大

教育学部で手話課程 教育現場で支援、新たな試み

手話実践の授業で手話を使う学生たち=前橋市荒牧町の群馬大教育学部で2017年4月27日、鈴木敦子撮影

 聴覚障害のある子どもたちが手話で授業を受けられるように、群馬大教育学部は2017年度から、手話通訳の資格を持つ教員の養成に取り組んでいる。群馬大によると、福祉系の大学以外で手話通訳者を養成するのは全国的にも珍しいという。

     国内で難聴も含めた聴覚障害がある児童・生徒は1万2182人で、そのうち県内は256人(文部科学省の2017年度調査)。重度聴覚障害者の多くが通う県立ろう学校では、研修などで手話を学んだ教員らが授業をしたり、視覚情報で補ったりしている。

     補聴器や人工内耳の技術が向上し、残っている聴力を最大限に活用する方法も進んでいるが、近年は手話による授業を重視する流れがある。15年施行の県手話言語条例の実施計画には「ろう学校で手話などを使った各教科指導」が盛り込まれ、前橋市が16年に制定した手話言語条例の推進方針は「学校で手話が必要な児童、生徒らへの支援に努める」と明記した。

     こうしたことから、群馬大は17年度に、あいさつや自己紹介などの「初級レベル」から、日常会話ができる「中級レベル」を想定した教養科目と、県手話通訳者養成課程レベルに相当する専門科目など計9講座を開講した。1年生で手話を習得し、2~3年生で技術を磨いて関連資格を取り、4年生で手話通訳者として活躍できるのが理想という。

     初年度は約200人が初級レベル、そのうち約20人が中級レベルを身につけた。一方で、受講開始時の学年により練習時間を十分に取れない学生がいたり、個々の技術力に差がみられたりした。

     「群馬大学手話サポーター養成プロジェクト室」責任者で群馬大教育学部の金沢貴之教授(特別支援教育)は「初年度から『手話で行う授業』に学生がついてこられた点は良かった」と一定の評価をしつつ、「今後は手話通訳の資格を確実に取得できる環境を整えなければならない」として、動画の課題を毎回出させるなど「手話漬け」の時間を増やすことに力点を置くという。

     一方、金沢教授は群馬大での取り組みを通して全国的な手話通訳者の底上げにもつなげたい意向だ。「手話ができる人がすぐ通訳になれるわけではない。現状は、自治体がサークルや講習を開催しても、手話通訳者はなかなか増えていない。養成体制や習得方法、教材などを根本的に見直す必要がある」と話している。【鈴木敦子】

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