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マレーシア総選挙

政権交代 元首相へ高い期待 司法改革、課題

記者会見で質問に答えるマハティール氏=クアラルンプールで2018年5月10日、AP
マレーシア下院選の各勢力の獲得議席

 プトラジャヤ(首相官邸)へ突き進もう--。マレーシア連邦下院選で野党連合・希望連盟の勝利が確実になった10日未明、街中では支持者が歓喜の声を上げた。独立以来60年以上を経た政権交代への国民の期待値は高い。ただ、汚職の根絶や生活費の安定など支持者が求めた改革が実現できるのか、難しいかじ取りになりそうだ。

     野党連合の支持者らが水色と赤色の旗を手に喜び合い、「パカタン・ハラパン(希望連盟)」と大歓声を上げる。その様子が、次々にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて拡散される。

     支持者らには、かつて22年間政権を担い、今回も希望連盟を率いて勝利したマハティール元首相(92)への期待が高い。「これで古き良きマハティール時代に戻れる。生活を楽にしてもらいたい」。支持者の一人、モハマド・ベンハシムさん(77)は喜んだ。

     一方で、初めての政権交代による政治の混乱や、マハティール氏の指導力に疑問を投げかける意見がある。高齢で健康を不安視する声もある。

     新政権には、中立ではないと批判されてきた司法機関や選挙委員会などの制度改革、公務員の意識改革など課題は山積する。また、マハティール氏はかつて在任中、敵対する野党幹部を国内治安維持法違反容疑で摘発して追いやったこともある。与党連合に有利な選挙制度などもマハティール時代の負の遺産ともいえる。

     与党連合を支持するタン・チョンリムさん(53)は「マハティール氏は過去に間違いを犯してきた。おそらく野党内でほころびが出る。選挙のためだけに集まった政党に国を任せていいのか……」と悲観した。【クアラルンプール武内彩】


     ■解説

    農村部から支持

     野党連合・希望連盟による政権交代は、農村部のマレー系住民から支持を得られたことが大きな勝因とみられる。マレー系を優遇する「ブミプトラ政策」などで与党連合から恩恵を受けてきた農村部は、従来、与党側の票田といわれ、過去の下院選では野党連合が苦戦してきた。

     ナジブ政権が2015年に導入した6%の消費税や物価の急激な上昇は家計を圧迫し、農村部でも政権への批判が高まっていた。そこにマレー系への政策で実績のある元首相のマハティール氏が登場し、潜在的な批判票が噴出した形だ。これまで与党連合の牙城とみられた南部ジョホール州などでも議席を伸ばした。

     野党連合は08年と13年の下院選でも与党連合を追い詰めたものの、支持層が都市住民や華人系、インド系に集中していたため議席数では及ばなかった。今回はマハティール氏が野党連合の「顔」として先頭に立ち、年齢を感じさせない精力的な選挙活動を進めたことで支持層を拡大した。

     選挙戦を通じてナジブ氏を巡る巨額の汚職疑惑を批判、追及したことも、国民の政権交代への期待感を高めた。人種や政策などの違いを超えた共通の問題を提示することで、新たな支持者の掘り起こしにつなげた。【クアラルンプール武内彩】

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