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ドリームキッズinおおさか

トランポリン選手 伊吹千夢さん 世界の舞台へ跳躍 /大阪

放課後にトランポリン競技の練習を積む伊吹千夢さん=大阪府河内長野市原町で、蒲原明佳撮影

伊吹千夢さん(13)=泉南市立西信達中2年

 身長147センチと小柄な体がトランポリンに沈み、上空へ吸い込まれるように跳び上がる。繰り返す跳躍は高さ4~5メートル。「無重力になる瞬間が好き。空を飛んでいる気分」。トランポリン競技で2回目の国際大会出場を目指し、18日から始まる全日本年齢別選手権大会に向けて練習を積んでいる。

     トランポリンの個人競技は、宙返りやひねりを織り交ぜた異なるジャンプを連続10回跳び、技の難易度や華麗さを競う。「ベッド」と呼ばれる跳躍面の中央付近にうまく沈み、滞空時間を延ばすことも重要だ。2000年シドニー大会から、五輪の正式種目にも採用されている。

     暮らしている泉南市は五輪の元日本代表、上山容弘選手の出身地で、トランポリンが盛ん。4歳の時、姉と一緒に地元の教室へ参加した。競技と違って宙返りがないレクリエーショントランポリンで、「ただただ、跳ぶことが楽しかった」。

     6歳で競技に転向。それから1年で宙返りができた。「大きい子がどんどん回ってる。私も1回くらいは」。そう思ってチャレンジした。恐怖感はなかった。コーチの片岡洋介さん(43)は「トランポリンは少しの感覚のずれに気付かなければ技が大きくくるってしまう繊細な競技」。その正確な感覚をつかみ続け、高さのある跳躍が持ち味だ。

     華麗に見せることも大事だが、失敗すれば大けがにつながる。4年生の頃、場外に落ちて右腕を骨折し、手術した。リハビリの間にも仲間は次々と新しい技を覚えていた。約4カ月のブランク。復帰した後は「遅れを取り戻したい」と必死だった。新しい技「屈伸前方2回宙返り2分の1ひねり」を覚え、16年の全日本年齢別選手権大会で成功させた。優勝を飾り、インド・パシフィック選手権大会への出場権を勝ち取った。

     初めての国際大会は跳躍の途中で場外に着床してしまい、10位に終わった。しかし、五輪出場選手や海外選手の世界トップレベルの演技を間近に見られたことは刺激になった。「迫力が全然違う。もっとうまくなりたい」

     身長はこの1年で8センチ伸びた。日々成長する体で跳躍の感覚を維持するのは難しい。「非日常」の重力も大きな負荷になる。でも「負けず嫌い」の性格が「また大舞台に立ちたい」という気持ちを高める。世界への予選となる全日本年齢別選手権大会までに跳躍10回の成功率を90%に引き上げることを目標に、トランポリンに向き合い続ける。

     放課後、母てるみさん(50)や親戚の運転で河内長野市のスクールへ週4回通う。空き時間に学校の課題に取り組む忙しい生活を1年間こなした。野球も好きで、阪神タイガースのファンだ。5月の連休には、甲子園で縦じまの法被を着て声援を送った。

     将来の目標は「(24年の)パリ五輪に出たい」。「4年に1度しかない大会。そこに集まる世界中のトップクラスの選手と戦いたい」【蒲原明佳】


     ■人物略歴

    いぶき・ちゆ

     泉南市在住。河内長野市のフェニックストランポリンスクールに所属。2016年全日本トランポリン競技年齢別選手権大会11-12歳女子で優勝。好きな食べ物は「おばあちゃんの手作りの煮物」。

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