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鴻巣友季子・評 『翻訳地帯 新しい人文学の批評パラダイムにむけて』=エミリー・アプター著

 (慶應義塾大学出版会・5940円)

 Adjudantへの誤訳ひとつが普仏戦争の引き金となった--待望の邦訳書がついに刊行された本書には、そんな記述がある。この語は独語では「副官」を意味するが、仏語では「曹長」を指す。しかもこの文書にはビスマルクが戦意を煽(あお)るための“故意の誤訳”(捏造(ねつぞう))があった。

 翻訳とはもろに政治の場であり、戦場であり、知力の武器そのものだ。通訳の仕方で裁判の行方が左右される韓国系作家の『通訳/インタープリター』といった小説を読んでもわかるとおり。英語帝国アメリカはこうした事実を、9・11テロで今さらながら痛感し、翻訳に対する意識が急激に高まった。

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