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大衆音楽月評

「芸能人は特別」通用しない=専門編集委員・川崎浩

ミュージカル「メリー・ポピンズ」から、メリー・ポピンズ役の平原綾香(右)と島田歌穂=ホリプロ提供

 芸能は、リビドー(衝動)やエロスを根源とした情動、情念の様子を歌舞音曲として表現する場合が少なくない。近年の日本のポップスは「僕はかわいそう」で始まり「僕は寂しい」けど「僕は一人じゃない」から「僕は頑張れる」という自己完結で循環する物語が定番となっているが、一昔前は「アイ・ウォンチュー、アイ・ニージュー」と恥ずかしげもない情欲丸出しが当たり前だった。低俗であろうが、それが、芸能だった。

 芸能人は、その表現の世界と現実の世界を往来する「特別な人間」として、あいまいな規範や価値基準の下で生きていた。世論はともかく、世間はその裏のルールを容認していた。ある芸能人のために泣いている人より、喜んでいる人が多いに違いないという暗黙の了解が根拠であろう。だが、21世紀にはそれは認められない。泣く人が一人でもいれば、芸能人は普通の人どころか逆の意味の「特別な人」となる。元TOKIOの山口達也は…

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