芸能は、リビドー(衝動)やエロスを根源とした情動、情念の様子を歌舞音曲として表現する場合が少なくない。近年の日本のポップスは「僕はかわいそう」で始まり「僕は寂しい」けど「僕は一人じゃない」から「僕は頑張れる」という自己完結で循環する物語が定番となっているが、一昔前は「アイ・ウォンチュー、アイ・ニージュー」と恥ずかしげもない情欲丸出しが当たり前だった。低俗であろうが、それが、芸能だった。
芸能人は、その表現の世界と現実の世界を往来する「特別な人間」として、あいまいな規範や価値基準の下で…
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