歌舞伎

團菊祭五月大歌舞伎 菊五郎 小悪党小気味よく=評・小玉祥子

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 十二世團十郎の没後五年祭。夜の部に見応えがある。最初の菊五郎が弁天小僧を演じる「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」は、「浜松屋」から「滑川土橋」まで。菊五郎の時代と世話を使い分けた緩急自在なセリフ術が見事。女装して乗り込んだのが男と見破られ、「肝はふてえや」と居直ってすごむところなど、小悪党ぶりが小気味よく、左團次の南郷との息も合い、最期を遂げる「極楽寺屋根立腹(立ったままでの切腹)」までを運びよく見せる。橘太郎の番頭が軽妙で、梅玉の青砥藤綱がごちそう。海老蔵の駄右衛門、菊之助の赤星、松緑の忠信とそろう。

 中幕が「菊畑」。適材が配役された充実のひと幕。時蔵の虎蔵は、牛若丸らしいきびきびとしたところに加え、「色若衆」らしい色気がある。松緑の智恵内は線が太く、虎蔵への忠義心も感じられた。児太郎の皆鶴姫にいちずさと気性の激しさがうかがえ、坂東亀蔵の湛海が薄手な敵役ぶりを出した。団蔵の鬼一はセリフが明瞭で軍師らしい奥深さがあり、智恵内との腹の探り合いが、よく表現された。

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