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静岡・藤枝

イノシシ捕獲作業に同行ルポ 農林作物被害

猟犬を連れ、イノシシを探す久住さん=静岡県藤枝市中藪田で2018年4月21日、大谷和佳子撮影

 静岡県全体の面積の60%以上が中山間地域の静岡は、野生のイノシシやシカによる農林作物への被害が多い。県によると、2016年度の被害額は4億1932万円。そうした中、藤枝市は4月に地元猟友会と連携し、「市鳥獣被害対策実施隊」を結成した。結成後、隊の捕獲作業に同行させてもらった。【大谷和佳子】

    猟友会のメンバーに話を聞く記者(左)=静岡藤枝市中藪田で2018年4月21日、大谷和佳子撮影

     取材当日の捕獲場所は、市内の潮(うしお)山。志太猟友会の久住英樹さん(74)ら10年来の顔なじみというメンバー6人に猟犬2匹の構成だ。現地ではまず山を囲むように分かれ、携帯電話や無線で連絡を取り合いながら、山の様子を慎重に探る。「ため池の近くは、(イノシシの)子連れが歩いているぞ。足跡がある」「そこに犬を連れて入ってみよう」といったやり取りが聞こえる。

     その後、全員集合して段取りを相談する。「やっぱり2匹いそうだ」「別々に(山を)下るかもしれんな」。地面に石で図を描きながら、イノシシの動きを予想する。

     いよいよ、メンバー2人が猟犬とともにイノシシをすみかから残る4人が待ち構える場所へ追い立てる。しばらくすると、記者から少し離れた場所から「パン」という音がした。すると、尾根の上で待機していたメンバーが1匹を捕獲したとの連絡が入った。

     ちょうど同じ時、記者のそばにいた久住さんが物音に反応し銃を構えた。尾根の方向から枯れ木を踏む音が迫ってくる。そして、茶色い塊が迫ってくるのが見えた。体長約150センチのイノシシだ。久住さんは銃を構え、引き金を引く。しかし、弾はイノシシをわずかにそれたようで、あっという間に姿を消してしまった。約30分後、久住さんの無線に別のメンバーから連絡が入った。「寝かせた(仕留めた)ぞ」。市に報告するための写真を撮影し、捕獲したイノシシはさばき、参加したメンバーで均等に分けて持ち帰った。

     久住さんらはJAなどと連携し捕獲したイノシシなどの肉の活用法を探るが、衛生面などでハードルが多く、一般に流通させるのはまだ難しいという。後日、久住さんがイノシシ料理をふるまってくれた。「これがくん製で、こっちがシシ鍋。焼き肉もある」。獣臭さはほとんどなく、身が締まっている。人とイノシシの関わりを考えながらかみ締めた。

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