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性的少数者

LGBT取材「知識不足」 課題を指摘

「東京レインボープライド2018」でパレードをする参加者ら。LGBTに関する話題が取り上げられる機会も増えた=東京都渋谷区で2018年5月6日、西本勝撮影

毎日新聞アンケート

 「記者から差別用語を言われた」「トランスジェンダー男性だと伝えて取材を受けたのに、女性用トイレを案内された」ーー。メディアから取材を受けたことがある性的少数者(LGBTなど)70人に、毎日新聞がアンケート調査したところ、約8割の54人が「報道の中で誤った用語の使い方や説明がされている」と感じていることが分かった。一方、「取材を受けて良かったと思ったことがあるか」という問いには9割が「ある」と回答した。同性パートナーシップ制度などをきっかけに、メディアでLGBTの問題が取り上げられる機会が増えたが、取材側の課題が明らかになった。【藤沢美由紀、中嶋真希】

 アンケートは4月、新聞、テレビ、ウェブメディアなどの取材を受けたことがある70人にネット上で実施。年代は20~60代で、セクシュアリティーは同性愛が49%で、トランスジェンダーが19%、Xジェンダーが19%、その他が24%だった。

 取材を受けて経験したことについて複数回答で尋ねたところ、66%が「記者が勉強不足だと感じた」と回答。「同性愛とトランスジェンダーの違いを理解してほしい」といった声があった。同性愛は「誰を好きになるか(性的指向)」、トランスジェンダーは「自分で自分の性をどう思うか(性自認)」の問題。それぞれが抱える問題や、社会に求められる対応も異なるため、違いをしっかり理解する必要がある。

 「(正式な呼称のレズビアンではなく)レズと言われた。差別用語であることを知らないのかも」「『私は(同性の)男性を好きになるなんて理解できない』と笑われた」など、取材者が差別的な発言をしていた事例も。男性として暮らすトランスジェンダーが記者が勤める会社内で取材を受けたところ、女性用トイレを案内されたという例もあった。

 「特定のイメージを押しつけられた」という回答も46%あった。「LGBTはかわいそうな人たちではないと説明したのに、理解してもらえなかった」「記者の考えにパズルのピースを当てはめるかのように質問された」「LGBTの人は優秀といったポジティブな決めつけが気になった」という声があった。

 ほかに、男性として暮らしているのに「女性」として報道されるなど、「書かれた記事や番組上で、自分の性自認や性的指向が尊重されていなかった」は26%。「自分や周囲の当事者の、顔や名前、セクシュアリティーに関する情報を、同意を得ずに報道された」は21%だった。「許可なく写真を撮られた」「交流会の開催場所を知らせていないのに書かれた」などの事例が寄せられたが、これらは本人の許可なく周囲にセクシュアリティーを暴いてしまう「アウティング」につながる恐れもある行為だ。

 また、この5年ほどの間で目にした性的少数者に関する報道全般で違和感を覚えた点について複数回答で聞くと、「誤った用語の使い方や説明」が77%、「先入観のある描き方」が73%だった。

9割が「取材受けて良かった」

 記者や、原稿をチェックする管理職などに望むことについては、「LGBTは総称。ゲイ男性をLGBT男性と表現することで、問題があやふやになる」「複数の記者で原稿をチェックしてほしい」といった声があった。一方で、「取材を受けて良かったと思ったことはあるか」という問いには、90%が「ある」と回答。「実態を伝えることができた」「多数の記者の方が関心を持って取り上げることで、少しずつ確実に周囲の認識も変わってきているように感じる」などの声があった。

 トランスジェンダー当事者として若者支援などの活動をしている遠藤まめたさんは、「記者自身も勉強し、当事者コミュニティーと関わることで理解を深めておく必要がある。LGBTはこうあるべきだという思い込みが、報道のすれ違いを生んでいる」と指摘している。

LGBT

 性的少数者を指す「LGBT」は、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(出生時の身体の性別と性自認が異なっていたり、違和感を持っていたりする人。また身体の性別とは異なる性別で生きる人、そう望む人。性同一性障害も含まれる)の頭文字から取られている。ほかに、Xジェンダー(身体的には男性または女性だが、そのどちらでもないと感じている人を指す)、クエスチョニング(自分のセクシュアリティーが分からなかったり、迷ったりしている人や状態)、アセクシュアル(無性愛。恋愛や性的な感情を誰に対してもあまり感じない性的指向のこと)など、多様なセクシュアリティー(性のあり方)がある。

 国際的にはSOGI(ソジ、Sexual Orientation and Gender Identity)という総称で、性的少数者とそれ以外の人を区別せず、性を議論する流れがある。

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